出版倫理

International Committee of Medical Journal Editors ( ICMJE ) とは

生物医学論文を書くときのバイブルと言えば、「ICMJE Recommendations(旧 Uniform Requirements)」です。
別名「バンクーバースタイル」ともよばれ、多くのジャーナルの投稿規定のもとになっています。ここでは、投稿の際に必須といわれる原稿様式を詳細に記載しているManuscript Preparation(原稿の作成および投稿)の項目について東京医科大学国際医学情報学講座 小島多香子先生による日本語訳と解釈をご紹介します。

なお、最新のICMJE Recommendations(原文)は www.ICMJE.org でご確認ください。

出版倫理とは何ですか?
  • 出版倫理にはauthorship著者の資格、conflict of interest利益相反、duplicate publication 重複出版、duplicate submission二重投稿、plagiarism剽窃、fabricated dataデータの捏造、その他の倫理的行為が含まれます。
  • 論文を作成、投稿、出版をする際には、出版倫理の規定に沿った形で行うことが大変重要です。その際、非常に参考になるのがICMJE Recommendationsです。
ICMJE Recommendationsとは何ですか?
  • ICMJE Recommendations とは正式にはRecommendations for the Conduct, Reporting, Editing and Publication of Scholarly Work in Medical Journalsと言います。
  • 委員会が作成したガイドラインのことです。
ICMJEとは何ですか?
  • International Committee of Medical Journal Editors (ICMJE)とは国際医学雑誌編集委員会のことで、現在、16の世界で主要な国際雑誌および組織によって構成されています。このICMJEは1979年に「生物医学雑誌の投稿のための統一規定」の名で知られる医学生物論文の作成法ガイドライン(旧Uniform Requirements for Manuscripts Submitted to Biomedical Journals)を策定して以来、医学出版や出版倫理の分野では非常に重要な役割を果たす著名な存在です。
ICMJE Recommendationsは,どんな事が 書かれているのですか?
ICMJE Recommendationsは大きく分けて、3つの主な項目があります。
1.Manuscript Preparation
主に、論文の構成や形式に関すること。例えば、論文の目的、方法、結果、考察などの書き方、参考文献の形式、カバーレターの内容など。
2.Roles and Responsibilities
主に、著者の役割と責任に関すること。例えば、著者の資格、利益相反など。
3.Publishing and Editorial Issues
主に、重複出版、可能な二次出版、著作権などに関すること。
ICMJE Recommendations は何のためにあるのですか?
ICMJE Recommendationsの主な目的とは
  • "to review best practice and ethical standards in the conduct and reporting of research and other material published in medical journals, and to help authors, editors, and others involved in peer review and biomedical publishing create and distribute accurate, clear, unbiased medical journal articles. May also provide useful insights into the medical editing and publishing process for the media, patients and their families, and general readers." (http://www.icmje.org)
  • これを読むとわかるように、最大の目的は学術論文や研究に必要不可欠である透明性、そして誠実さが保たれるためである。
ICMJE Recommendations(旧生物医学雑誌のための統一規定)の歴史と主な変遷
  • 1979年:
  • 生物医学雑誌の投稿のための統一規定 第1版が発表される
    →これにより、論文の(形式)フォーマットや参考文献の形式が統一される
  • 1985年:
  • 著者の資格について初めて明記される
  • 2001年:
  • 利益相反に関して内容が改訂される
  • 2008年:
  • 出版倫理に関する内容が更に増える一方、
    各雑誌の投稿規定の重要性についても明記される
  • 2013年:
  • 著者の資格に条件が追加される
    ICMJE Recommendationsと名称が変更になる
    ICMJE Recommendationsと投稿規定では どちらが大切ですか?
    答えは、両方です。
    • 最も効果的な方法としては、論文の執筆前にICMJE Recommendationsをきちんと読み、基本的な知識を身につけることです。
    • 現在600以上の主要な国際雑誌がICMJE Recommendationsに準じているとされていますが、実際にはその数を上回るとICMJEも見込んでいます。したがって、ICMJE Recommendationsは世界基準と考えてさしつかえないでしょう。しかしながら、雑誌によっては論文の作成形式や著者の条件などが異なる場合があります。そのため、まずはICMJE Recommendationsで標準的な規定を押さえ、その後に必ず投稿する雑誌の投稿規定を確認することをお勧めします。
    • なお、投稿先の学術誌の投稿規定を確認することの重要性については、ICMJE Recommendationsに明記されています。

    Manuscript Preparation(原稿の作成および投稿)

    Preparing for Submission(原稿の作成)

    1. General Principles(基本原則)
    2. Reporting Guidelines(報告ガイドライン)
    3. Manuscript Sections(原稿のセクション)

    Sending the Submission(学術誌への投稿)

    This is a Japanese language translation of the ICMJE Recommendations for the Conduct, Reporting, Editing and Publication of Scholarly Work in Medical Journals. Takako Kojima (Department of International Medical Communications, Tokyo Medical University) prepared this translation. The ICMJE has not endorsed nor approved the contents of this translation. The official version of the Recommendations for the Conduct, Reporting, Editing and Publication of Scholarly Work in Medical Journals is located at www.ICMJE.org. Users should cite this official version when citing the document.